Webサイト制作の主な解決策・施策の種類|選び方の基本

Webサイト制作で迷いやすい解決策や施策の違いを、課題の整理から主目的、受け皿、進め方、要件、費用の見方まで実務目線で整理します。

執筆 PartnerBase Mag 編集部約10分

Webサイト制作を検討し始めたときに迷いやすいのは、「何を作るか」より先に「何が足りていないのか」が整理できていないことです。コーポレートサイト、サービスサイト、LP、SEO、フォーム改善、CMS導入など選択肢は多く見えますが、実務ではそれぞれ役割が違います。BtoBでは特に、会社理解の不足なのか、集客の不足なのか、問い合わせ導線の不足なのかで、優先すべき打ち手が変わります。

この記事では、課題の入口から主目的の決め方、受け皿の選び方、新規制作・リニューアル・部分改善の線引き、相談前に整理すべき要件、費用の見方、失敗回避までを順に整理します。読後には、自社がまずどの受け皿を優先すべきか、どこから着手すべきか、外部相談前に何をそろえるべきかを判断しやすくなります。

Webサイト制作は、施策名を並べて選ぶよりも、まず「主因になっている不足」を1つ決めるほうが判断が進みます。

Webサイト制作は、施策名を並べて選ぶよりも、まず「主因になっている不足」を1つ決めるほうが判断が進みます。

Webサイト制作の検討を、課題整理から目的設定、受け皿選定、進め方、要件整理、費用把握まで順に整理した全体フロー図。
Webサイト制作の検討を、課題整理から目的設定、受け皿選定、進め方、要件整理、費用把握まで順に整理した全体フロー図。

Webサイト制作は、施策名から選ぶよりも、課題の種類→主目的→受け皿→進め方の順で整理すると判断しやすくなります。

01Sectionまずは課題から入口を決める

最初に整理したいのは、制作手法ではなく不足の種類です。複数の悩みがあっても、まずは最も説明責任が大きい症状を1つ選ぶと、検討範囲が絞りやすくなります。

よくある症状まず疑う不足優先しやすい解決策同時確認後続施策
会社情報はあるが問い合わせにつながらない受け皿不足サービスサイト整備、導線改善フォーム計測事例、FAQ、営業支援導線
広告流入はあるがCVしない転換不足LP改善、CTA改善、フォーム改善key event設定ABテスト、広告最適化
指名以外の流入が少ない集客不足SEO、コンテンツ整備、重要ページ整備Search Console設定記事拡張、内部リンク改善
更新が止まる運用基盤不足CMS見直し、権限設計、運用体制整備承認フロー月次改善運用
既存サイトが古く使いにくく、どこを直すべきか定まらない受け皿不足または運用基盤不足が全体化しているリニューアル可否の判定、重要ページの棚卸しURL変更、CMS更新性、検索資産段階公開計画

5行目は、4分類のどれかが全体化しており、部分改善だけでは収まりにくいケースです。最初の入口はあくまで4分類で置き、その結果として全体見直しが必要かを判断します。

4つの不足に分けると考えやすい

BtoBのWebサイト制作は、次の4分類で捉えると混同しにくくなります。

  • 受け皿不足: 会社理解、サービス理解、比較導線が足りない
  • 集客不足: 指名検索以外の流入や発見性が弱い
  • 転換不足: CTA、フォーム、LP、導線が弱い
  • 運用基盤不足: 更新体制、権限、計測、承認フローが弱い

ここで大事なのは、サイト種別・改善施策・運用基盤を同じ粒度で並べないことです。 たとえば、LPは受け皿の一種、SEOは集客施策、CMSは運用基盤です。役割が違うものを同列で比較すると、優先順位がぶれやすくなります。

02Section主目的から方向性を決める

課題の入口が見えたら、次は「何を成果とみなすか」を決めます。BtoBサイトは複数目的を持ちやすいですが、制作の優先順位を決める段階では主目的を絞ったほうが設計しやすくなります。

主目的は1つ、副目的は2つまでに絞る

主目的は、3〜6か月で最も説明責任が大きい成果で決めます。副目的は、同じ受け皿で支援できても、別CTAまたは別導線で管理したいものに留めます。

主目的は1つ、副目的は2つまで。CTAが違う目的は、少なくとも導線を分けて考えるのが基本です。

主目的は1つ、副目的は2つまで。CTAが違う目的は、少なくとも導線を分けて考えるのが基本です。

主目的を決めるときは、次の3問で整理すると実務に落としやすくなります。

  1. 3〜6か月で最も説明責任が大きい成果は何か
  2. その成果を測る主CTAは何か
  3. そのCTAの前に、読者は何を知る必要があるか
目的主受け皿同居しやすい副目的分けたほうがよい条件公開直後に見る指標改善フェーズで見る指標
問い合わせ獲得サービスサイト、LP営業支援、信頼補強採用応募などCTAが別フォーム送信、主要CTAクリックkey event率、チャネル別CV
営業支援サービスページ、事例、FAQ、資料導線問い合わせ獲得単一CVを最優先したい重要ページ閲覧、資料DL事例閲覧率、資料DL率
認知・自然流入コーポレート/サービスサイト、SEO、コンテンツ整備問い合わせ獲得、採用広報短期CVだけを追いたいインデックス、表示回数クエリ数、CTR、自然流入
採用採用サイト、採用導線コーポレート信頼補強問い合わせと同一CTAにしたい応募導線到達、応募送信応募率、流入元別効率

公開直後KPIと改善KPIは分けて置く

公開直後は、まず「動いているか」を確認します。 自然流入を見るなら Search Console のパフォーマンス レポート でクエリ、クリック、表示回数、CTRを確認し、問い合わせや資料請求、応募などの重要行動は GA4 の key events として分けておくと評価しやすくなります。

広告を併用する場合は、Google 広告で GA4 の key event をもとにコンバージョンを作成する考え方 も確認しておくと、広告評価とサイト評価をつなげやすくなります。なお、商談化率や受注貢献まで主KPIに置く場合は、CRMやSFA側の定義も別途そろえる必要があります。

03Sectionサイト種別の役割差を整理する

コーポレートサイト、サービスサイト、LP、オウンドメディア、採用サイトの役割と向く目的を比較したマトリクス図。
コーポレートサイト、サービスサイト、LP、オウンドメディア、採用サイトの役割と向く目的を比較したマトリクス図。

サイト種別は名称より役割で比較すると、何を優先すべきかを判断しやすくなります。

ここでいう「サイト種別」は名称より役割で見たほうが判断しやすくなります。同じドメイン内に共存していても、役割が違えば設計の考え方は変わります。

サイト種別は名前ではなく役割で見る

コーポレートサイト

会社理解や信頼形成の土台です。指名検索で来た人に会社情報、実績、採用、問い合わせの入口を渡す役割が中心です。

サービスサイト

商材理解、比較検討、問い合わせ・資料請求の受け皿です。BtoBで問い合わせ獲得を主目的にするなら、優先度が上がりやすい領域です。

LP

単一オファーと単一CTAに絞って転換を高める受け皿です。広告流入やキャンペーン流入との相性がよく、比較検討の全体受け皿とは役割が異なります。

オウンドメディア

自然流入や比較前段の接点づくりに向く受け皿です。主要サービスページが弱いまま先行すると、流入が増えても成果につながりにくいことがあります。

採用サイト

応募導線と採用広報を分けて強化したいときの受け皿です。問い合わせ獲得と同じCTAで運用しないほうが整理しやすい場面が多いです。

コーポレートサイトとサービスサイトの違い

コーポレートサイトは「この会社は信頼できるか」を判断する場、サービスサイトは「この商材は自社に合うか」を判断する場です。指名流入はあるのに問い合わせが増えない場合、会社情報の不足ではなく、商材比較に必要な情報が足りないことがあります。その場合はコーポレート側を厚くするより、サービス側の整備を優先したほうが成果に近づきます。

サービスサイトとLPの違い

HubSpot の解説 でも、Webサイトは複数ページ・複数導線、LPは単一目的のページとして整理されています。BtoB実務でもこの分け方は使いやすく、サービスサイトは比較検討の受け皿、LPは特定オファーの転換装置と考えると選びやすくなります。

広告で特定資料のダウンロードを増やしたいならLPが向きます。一方、複数サービスを比較させたい、導入事例やFAQまで見せたいなら、サービスサイト側の設計が必要です。LPで何でも解決しようとすると、会社理解や比較導線が不足しやすくなります。

04Section新規制作・リニューアル・部分改善はどう選ぶか

既存サイトの有無や課題範囲、URL変更の有無などから、新規制作・リニューアル・部分改善を選ぶ判断フロー図。
既存サイトの有無や課題範囲、URL変更の有無などから、新規制作・リニューアル・部分改善を選ぶ判断フロー図。

どこまで変えるかは、サイトの現状と移行の有無を軸に切り分けると相談しやすくなります。

次に決めるのは、どこまで変えるかです。ここを曖昧にしたまま相談すると、提案や見積もりの前提がそろいません。

判断軸新規制作寄りリニューアル寄り部分改善寄り
既存サイトの有無ない、または使えないあるが活かし切れていないある程度機能している
課題範囲全体全体〜中程度一部
URL変更新規設計あり得る原則少ない
CMS更新性新設前提入れ替え検討維持可
検索資産少ない残す必要あり既存維持
短納期対応不向き中向きやすい
代表例新事業立ち上げ事業変化後の再設計フォーム離脱改善

判断マトリクスの読み方

  • 新規制作は、サイトがない、新事業で情報構造を作り直したい、既存資産の継承価値が低いときに向きます。
  • リニューアルは、既存流入やURL資産はあるが、構造・CMS・導線が現状に合わないときに向きます。
  • 部分改善は、課題が特定ページ、CTA、フォーム、導線など局所に集中しているときに向きます。

公開希望時期が短いなら、重要ページだけ先行して改善し、その後に全体再設計へ進む二段階の進め方も現実的です。 全部を一度に抱え込むより、初手と次手を分けるほうが失敗しにくくなります。

URL変更を伴う改修は移行設計まで含める

URL変更を伴うリニューアルは、見た目の刷新だけでは終わりません。[Google の URL 変更を伴うサイト移転ガイド](https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/site-move-with-url-changes) では、重要URLの整理、恒久的リダイレクト、サイトマップ送信、公開後の監視が案内されています。[301 リダイレクトの考え方](https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/301-redirects) や [Search Console での変更後監視](https://support.google.com/webmasters/answer/6258314) まで含めて計画しないと、公開後に流入が落ちる原因になりやすくなります。

URL変更を伴うリニューアルは、見た目の刷新だけでは終わりません。Google の URL 変更を伴うサイト移転ガイド では、重要URLの整理、恒久的リダイレクト、サイトマップ送信、公開後の監視が案内されています。301 リダイレクトの考え方 や Search Console での変更後監視 まで含めて計画しないと、公開後に流入が落ちる原因になりやすくなります。

05Section改善施策は何から足すか

SEO、導線改善、フォーム改善、コンテンツ整備は、並列で選ぶものではなく、症状ごとに順番をつけるものです。特に「流入不足」と「流入はあるがCVしない」では、優先施策が大きく変わります。

流入が少ないとき

指名検索以外の流入が弱いなら、先に見るべきは検索上での見つかり方です。Search Console でクエリ、表示回数、CTR、ページ別実績を確認し、どのページが表示されていないのか、表示されてもクリックされていないのかを分けます。

そのうえで、重要サービスページの情報不足を補い、必要に応じてコンテンツを増やします。受け皿が弱い状態で記事だけ増やしても、流入後の比較検討が進まず、問い合わせにつながりにくくなります。

流入はあるがCVしないとき

この場合は、集客施策より転換施策を先に見ます。優先しやすいのは、CTAの位置と文言、フォーム項目、LPの訴求、サービスページから問い合わせまでの導線です。重要行動は GA4 の key events で分けておくと、問い合わせ、資料請求、応募を混ぜずに確認できます。

広告流入を受けるページなら、LPの改善と広告評価を切り離さないことも重要です。媒体別の成果確認が必要なら、GA4とあわせて Google 広告側のコンバージョン設定 も見ておくと、流入後の成果確認がしやすくなります。

公開後0〜90日は制作の続きと考える

公開して終わりではなく、最初の90日で「想定どおりに動いているか」を確認します。

  1. 公開当日〜7日: フォーム送信、主要CTA、404、計測発火を確認する
  2. 8〜30日: インデックス、主要ページ到達、表示回数の立ち上がりを確認する
  3. 31〜90日: CTAクリック、フォーム送信、クエリ、CTRから改善優先ページを特定する

最低限の運用体制としては、主目的の優先順位を決める責任者、日常更新を行う担当者、数値を確認する担当者、技術保守を担う役割の4つが分かれていると止まりにくくなります。役割が1人に集中しても構いませんが、「誰が何を判断するか」は分けておく必要があります。

06Section相談前に整理すべき要件

Webサイト制作の相談前に整理しておきたい要件を、5つのグループで示したチェックリスト図。
Webサイト制作の相談前に整理しておきたい要件を、5つのグループで示したチェックリスト図。

提案や見積もりを比較しやすくするには、目的や範囲、連携、個人情報の扱いを先に整理しておくことが重要です。

外部相談の前に固めるべきなのは、デザインの細部よりも、目的・運用・連携・確認事項です。 ここが曖昧だと、提案も見積もりも比較しにくくなります。

相談前に整理する要件の5群

成果

主目的を1つ、副目的を2つまでに絞り、主要CTAの優先順を決めます。問い合わせ、資料請求、応募、予約などを同列に置かないことが重要です。

読者

想定読者が誰で、どの比較段階にいて、何を知りたいのかを一文で言える状態にします。読者像が曖昧だとページ構成がぶれます。

範囲

必須ページ、必須フォーム、公開までに必要な最低限の範囲を決めます。ないと公開できないものと、後から追加できるものを分けます。

更新担当、承認者、緊急連絡先、CRM・MA・広告・採用管理などの連携有無を整理します。CMS運用では WordPress の Roles and Capabilities の考え方のように、役割と権限を曖昧にしないことが重要です。

フォームで取得する項目、利用目的、保存先、委託有無、Cookieや同意の扱い、セキュリティ、アクセシビリティ、公開希望時期、公開後運用の担当を整理します。

相談前に1枚で確認する項目

  • ✓

    主目的は1つに絞れている

    3〜6か月で最も説明責任が大きい成果を1つだけ書き、副目的は2つまでに留めます。

  • ✓

    主要CTAの優先順が決まっている

    問い合わせ、資料請求、応募、予約などを1次・2次に分けます。

  • ✓

    想定読者と利用場面を一文で言える

    誰が、どの比較段階で、何を知りたいかを簡潔に言語化します。

  • ✓

    必須ページを列挙できている

    ないと公開できないページだけを先に固定し、追加要素は後ろに回します。

  • ✓

    必須フォームの項目、送信先、通知先が決まっている

    フォーム数だけでなく、取得項目と通知フローまで決めます。

  • ✓

    主要連携の有無と優先度が決まっている

    CRM、MA、広告、採用管理、SSOなどを、公開必須か後追いかに分けます。

  • ✓

    個人情報の取得項目、利用目的、保存先、委託有無が整理されている

    フォーム単位で整理しておくと、公開直前の差し戻しを減らしやすくなります。

  • ✓

    Cookieや同意対応の考え方が決まっている

    計測ツール、Cookieバナー、同意状態の扱いを法務・情シス・マーケで共有します。

  • ✓

    更新担当、承認者、緊急連絡先が決まっている

    CMS導入後に更新停止しないよう、権限と承認フローを先に分けます。

  • ✓

    公開希望時期と段階公開の可否が決まっている

    絶対期限、理由、重要ページ先行の可否まで決めると、範囲調整しやすくなります。

  • ✓

    公開後0〜90日の確認担当と月次運用の有無が決まっている

    誰が数値を見るか、誰が改善を決めるかを公開前に置きます。

先に決めておきたいのは、主目的、主要CTA、必須ページ、必須フォーム、主要連携、個人情報を扱う有無、公開希望時期です。反対に、デザインの細かな方向性や記事本数の詳細は、相談しながら詰められることも多くあります。

体制・更新運用

更新担当と承認者が曖昧なままCMSを入れても、公開後に止まりやすくなります。 特に複数部門が関わるBtoBサイトでは、通常更新、法務確認、公開判定、障害時連絡の責任を分けておくことが重要です。CMS運用の考え方としては、WordPress の Roles and Capabilities が参考になります。

連携・計測

連携要件は後から足せるように見えて、実際には見積や設計を大きく動かします。 CRM、MA、広告、採用管理、SSOの有無に加え、問い合わせや資料請求などの重要行動をどう計測するかも先に置いておくと、公開後の評価がぶれにくくなります。重要行動は GA4 の key events で整理できるため、フォームやCTAの設計と切り離さずに考えるのが実務的です。

個人情報・セキュリティ・アクセシビリティ

フォームで個人情報を扱う場合は、個人情報保護委員会の法令・ガイドライン等 を確認先に置き、取得項目、利用目的、安全管理の考え方を整理しておくと、公開直前の差し戻しを減らしやすくなります。アクセシビリティは「やるかやらないか」ではなく、WCAG のどの基準や水準で確認するか を先に決めるほうが実務的です。セキュリティ面は、問い合わせフォームやアクセス制御、認可設計を含めて、IPA の安全なウェブサイトの作り方 を確認先に置くと整理しやすくなります。

Cookieや同意対応は、利用ツール、計測方法、取得情報によって必要な整理が変わります。たとえば Google Analytics では、Cookieや同意状態によって計測挙動に影響するため、[関連ヘルプ](https://support.google.com/analytics/answer/11593727?hl=ja) も確認しつつ、法務・情シス・マーケで早めに認識をそろえるのが安全です。

Cookieや同意対応は、利用ツール、計測方法、取得情報によって必要な整理が変わります。たとえば Google Analytics では、Cookieや同意状態によって計測挙動に影響するため、関連ヘルプ も確認しつつ、法務・情シス・マーケで早めに認識をそろえるのが安全です。

07Section費用と工数はどう見ればよいか

費用で比較するときは、金額の大小より、何に分かれて発生するかを見るほうが実務に合います。公開情報だけでは同じ条件で比較しにくいため、価格の前に条件をそろえる考え方が欠かせません。

費用比較で先にそろえるべきなのは価格ではなく、範囲・分界点・移行有無・連携有無・社内工数です。

費用比較で先にそろえるべきなのは価格ではなく、範囲・分界点・移行有無・連携有無・社内工数です。

費用を5つに分ける

費用は5つに分けて見る

構築費

要件整理、情報設計、デザイン、実装、CMS設定、計測設定など、公開までの制作費です。

旧資産の棚卸し、URL対応表、リダイレクト、ファイル移行、公開後検証など、リニューアル時に見落としやすい費目です。

運用費

保守、更新代行、レポート、改善提案、広告連携、追加制作など、公開後に継続してかかる費用です。

社内工数

素材収集、レビュー、承認、公開前確認、公開後0〜90日の確認などです。外注費に含まれなくても、実質コストとして別に見る必要があります。

SaaSや一部CMSは、公式の料金ページで確認しやすい費用があります。たとえば HubSpot Content Hub の料金ページ では Free / Starter / Professional / Enterprise、WordPress.com の料金ページ では Free / Personal / Premium / Business / Commerce の比較導線があります。比較時は、プラン名だけでなく、課金単位、請求周期、席数、追加機能が同じ条件かを確認します。

一方、要件整理、デザイン、ライティング、撮影、移行、保守、改善伴走は個別見積もりになりやすい領域です。公開価格が見えるのは主に基盤費であり、制作全体の総額とは分けて考える必要があります。

見積もり比較前にそろえる条件

比較前に固定する条件

  • ✓

    対象範囲をテンプレート数、個別ページ数、フォーム数、連携数、移行URL数で書き出している

    「10ページ前後」ではなく、比較単位を揃えます。ページ数だけでは実装差が見えにくくなります。

  • ✓

    原稿、撮影、図解、レビュー、公開判定を誰が持つか決めている

    社内支給か外部支援かで、見積の意味が大きく変わります。

  • ✓

    公開形態を一括公開か段階公開かで決めている

    短納期案件では、重要ページ先行の二段階公開も選択肢です。

  • ✓

    公開後支援の有無と範囲を決めている

    保守のみか、月次改善、広告連携、レポートまで含むかを分けます。

  • ✓

    社内レビューの参加部門、人数、回数を固定している

    社内工数は外注費の外に出して見ないと、総負荷を誤りやすくなります。

  • ✓

    SaaSやCMSは課金単位、請求周期、席数、追加機能を同じ条件で確認している

    公式Pricingの表示条件だけでなく、契約期間や追加要素まで揃えて見ます。

安く見える見積もりでも、移行や計測が別、原稿支援が別、公開後改善が別だと、初年度総費用は上がりやすくなります。特にリニューアルでは、デザイン一式の比較より、移行費と公開後監視が含まれるかを先に確認したほうが実態に近づきます。

初年度総費用は式で見る

稟議や予算化では、次の式で分けて考えると整理しやすくなります。

初年度総費用 = 基盤費12か月分 + 構築費 + 移行費 + 公開後3か月運用費 + 社内工数

外注費だけが下がっても、社内レビューや承認が重い案件では、全体負荷が下がらないことがあります。

08Section失敗しやすい選び方と次の一手

最後に、比較前の段階で避けたい失敗を整理します。よくあるのは、作るものの選択ミスより、前提整理の不足による失敗です。

代表的な失敗は4つに絞って点検する

  • 目的の混線: 問い合わせ獲得と採用応募を同じ導線で扱い、CTAが散る
  • 移行不足: URL変更やリダイレクト、公開後監視を軽く見て流入が落ちる
  • 運用停止: CMSは入れたが、更新担当や承認者が曖昧で止まる
  • 計測不備: 問い合わせや資料請求を分けて測れず、改善判断ができない

これらは、主目的を先に1つ決める、移行対象を洗い出す、権限と承認者を決める、key eventを先に整理する、という基本でかなり防ぎやすくなります。

外部相談の前に確認したい最終ポイント

外部相談の前に、次の3つが言える状態なら、提案の精度は上がりやすくなります。

  1. 何を成果とみなすか: 主目的、主要CTA、公開直後に確認する指標
  2. 何を最低限作るか: 必須ページ、必須フォーム、移行有無、公開希望時期
  3. 誰がどう回すか: 更新担当、承認者、連携先、公開後90日の確認体制

迷ったら、まずは「最も説明責任が大きい症状」を1つ選び、その症状に最も近い受け皿から着手するのが基本です。 全部を一度に整えようとするより、主目的に近い順で優先順位を付けるほうが、社内説明もしやすくなります。

よくある質問

コーポレートサイトとサービスサイトはどちらを先に整えるべきですか?+

指名流入はあるが商材理解や比較導線が弱いなら、先にサービス側を整える判断がしやすくなります。逆に、会社情報の不足で信頼形成が弱いなら、コーポレート側の整備を優先します。迷う場合は、3〜6か月で最も説明責任が大きいCTAに近い受け皿を先に選びます。

LPとサービスサイトはどう使い分ければよいですか?+

単一オファーの転換を高めたいときはLP、複数情報を見せながら比較検討を進めたいときはサービスサイトが向きます。広告流入の受け皿としてLPを使い、比較検討の土台はサービスサイトで持つ、という組み合わせも実務ではよくあります。

部分改善で済むか、全面見直しが必要かは何で見分けますか?+

課題が一部ページやフォームに集中しているなら部分改善寄り、情報構造やCMS更新性、URL設計まで影響しているならリニューアル寄りです。特にURL変更が発生し、既存流入資産も残したい場合は、移行設計まで含めて判断する必要があります。

相談前に最低限そろえるべき項目は何ですか?+

主目的、主要CTA、想定読者、必須ページ、必須フォーム、主要連携、個人情報を扱う有無、公開希望時期、公開後90日の確認体制です。デザイン詳細は後から詰められても、これらが未定だと比較条件がそろいにくくなります。

PartnerBase Mag 編集部

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デジタル発注の比較・発注準備を専門に扱う編集チーム。

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