「Webサイト制作で何を解決できるのか分からない」「問い合わせが少ないが、全面リニューアルまで必要か判断しにくい」。BtoBでは、集客、問い合わせ、営業支援、採用、更新効率など課題が複数あり、サイトで改善しやすい問題と、営業や商品設計など別の施策を先に見直すべき問題が混ざりやすくなります。
ここでは、Webサイト制作を新規制作だけでなく、全面リニューアル・部分改修・LP追加・CMS導入/移行まで含む広い選択肢として整理します。読み終えるころには、自社課題がサイトで改善しやすいか、今はどの打ち手が妥当か、相談前に何を揃えると比較しやすいかを判断しやすくなります。

Webサイト制作は新規制作だけでなく、全面リニューアル・部分改修・LP追加・CMS導入/移行まで含めて考えると、自社課題に合う打ち手を選びやすくなります。
01Sectionまず定義したい「Webサイト制作」の範囲
最初に前提をそろえると、必要以上に大きな施策を選んだり、逆に小さすぎる改修で済ませてしまったりする失敗を減らせます。
この記事でいう「Webサイト制作」の範囲
Webサイト制作は、新規制作だけを指しません。サイト全体を作り直す全面リニューアル、一部ページやフォームを直す部分改修、1つの目的に絞ったLP追加、更新しやすくするCMS導入・移行まで含めて考えると、自社に必要な打ち手を選びやすくなります。
この記事で扱う5つの選択肢
判断の単位は、次の5つに分けると整理しやすくなります。サイト全体を見直すのか、一部ページだけ直すのか、1目的のページを足すのか、更新の土台を整えるのかを分けて考えると、主目的に合う施策の大きさを見極めやすくなります。
- 新規制作: そもそも必要な情報基盤がないときに作る
- 全面リニューアル: 情報構造、導線、デザイン、CMSなどをまとめて見直す
- 部分改修: 主要ページ、CTA、フォーム、事例導線など一部を改善する
- LP追加: 1つの訴求、1つのCVに絞って反応を見る
- CMS導入・移行: 更新しやすさ、権限管理、公開フローを整える
初心者向けの用語補足
複数目的のサイトで最初に決めること
BtoBサイトは、会社理解、サービス理解、問い合わせ、採用、IR的な情報整理など、目的が増えやすい領域です。ただ、最初からすべてを同じ重さで並べると、誰に何を伝えて何をしてほしいのかが弱くなりやすくなります。
まずは主目的を1つ置き、その目的に最短で効く単位を選ぶのが基本です。たとえば、営業が送るサービス説明ページを強くしたいなら部分改修、展示会後の資料請求を増やしたいならLP追加、更新停滞が大きな損失ならCMS導入・移行が先になります。
02SectionWebサイト制作で解決しやすい課題と、先に別施策を見たい課題

症状が似ていても、情報設計や導線の問題なのか、商品設計や営業対応など別要因が大きいのかで、選ぶ施策は変わります。
Webサイトで改善しやすいのは、主に情報の見せ方、導線、入力しやすさ、更新基盤に関わる課題です。逆に、商品自体の競争力、ターゲット設計、流入施策そのもの、営業対応の遅さなどは、サイトだけでは改善しきれないことがあります。
検索での見つかり方は Search Console のパフォーマンス レポート で、サイト内での行動は GA4 のイベント計測 で確認しやすくなります。まずは次の早見表で、自社の悩みがどこに近いかを当てはめてみてください。
| 課題領域 | よくある症状 | サイトで改善しやすいこと | サイト単体では限界があること | まず確認したい指標 |
|---|---|---|---|---|
| 集客 | 検索に出にくい、表示はあるがクリックされない | サービスページの再構成、タイトルや説明の見直し、検索意図に合う情報追加 | そもそもの検索需要不足、広告やSNSなど流入施策の不足 | 表示回数、クリック、CTR、主要流入ページ、インデックス状況 |
| 問い合わせ獲得 | 閲覧はあるが問い合わせにつながらない | CTA整理、フォーム項目の見直し、導線短縮、LP追加 | オファーの弱さ、価格条件の不一致、営業追客の遅さ | page_view、form_start、form_submit、generate_lead、離脱ページ |
| 営業支援 | 営業が毎回同じ説明をしている、送るページが弱い | サービス詳細、導入手順、FAQ、事例、資料導線の整備 | 商談化率そのものは営業提案力や対応速度の影響も大きい | 営業が送る主要ページの閲覧、事例ページ閲覧、FAQ閲覧 |
| 信頼形成 | 会社情報、実績、支援体制が伝わりにくい | 会社概要、実績、支援体制、品質やセキュリティ情報の整理 | 実績数そのもの、評判、第三者評価の不足 | 会社情報ページ、事例ページ、支援体制ページの閲覧 |
| 採用 | 応募前に仕事内容や働き方が分かりにくい | 採用ページ、募集要項、選考フロー、応募導線の整理 | 待遇条件、採用市場の競争、母集団形成の不足 | 採用ページ閲覧、募集要項閲覧、応募フォーム到達、応募完了 |
| 更新効率 | 更新が止まる、公開まで時間がかかる、外注依存が強い | CMS導入・移行、テンプレート化、権限設計、更新フロー整理 | 担当者不在、承認フロー過多、素材不足 | 更新頻度、更新作業時間、公開までの日数、担当者の有無 |
表の見方で大事なのは、症状と真因を分けることです。たとえば「問い合わせが少ない」でも、見られていないのか、見られているが行動されないのか、問い合わせ後に営業で失速しているのかで、必要な打ち手は変わります。
判断の基本
サイトで解ける課題と、サイトだけでは解けない課題は分けて考えるのが基本です。見送る判断や、先に別施策を進める判断も、無駄な発注を避けるうえで前向きな判断です。
03Section自社課題がサイト起因かを見分ける
発見→理解→行動→信頼→更新の順で切り分けると、問題の位置が見えやすくなります。Search Console、GA4、フォーム観察、更新実態の4系統に絞ると整理しやすくなります。
発見から更新までの順番で確認する
- 発見
まずは検索で見つかっているかを確認します。表示回数自体が少ないのか、表示はあるのにCTRが低いのかで打ち手が変わります。前者なら流入施策や検索需要も含めた検討が必要で、後者ならページタイトルや訴求のずれ、検索意図との不一致を疑います。確認の入口は Search Console のパフォーマンス レポート です。
- 理解
サービスページの冒頭で「誰向けか」「何を解決するか」「次に何をすればいいか」が分かるかを見ます。FAQや事例、導入手順が不足していると、見込み顧客は比較の材料を持てません。この段階で弱い場合は、サイトの情報設計や表現の問題であることが多くなります。
- 行動
閲覧があるのに送信されないなら、CTA、フォーム、遷移導線を見ます。GA4では イベント計測 によって form_start や form_submit のような行動を追いやすくなります。あわせて、実際にフォームを触ってみて、説明不足、項目過多、エラーの分かりにくさがないかを確認します。フォームの基本的な考え方は W3C のフォーム設計ガイド も参考になります。
- 信頼
比較検討の段階では、会社情報、実績、支援体制、導入手順、よくある質問などが不足すると不安が残ります。モバイルで崩れていないか、営業が送るページに必要な情報が揃っているかも確認対象です。信頼不足が原因なら、派手なデザインより情報の整理が先に効くことがあります。
- 更新
情報が古い、事例が増えない、ニュースが止まるなら、更新基盤と運用体制を見ます。CMSが使いにくいのか、担当者がいないのか、承認フローが詰まっているのかで必要な対処は変わります。更新頻度、更新にかかる時間、公開までの日数は重要指標です。
データが十分にないときの見方
計測環境が整っていなくても、仮説は立てられます。まずは次の4点だけでも把握すると、相談時の精度が上がります。
- 直近でよく見られているページと、ほとんど見られていないページ
- 営業が商談前によく送っているページと、説明しづらいと感じているポイント
- 実際のフォームで入力しにくい項目や、途中で迷う箇所
- 最後にいつ更新したか、更新のたびに誰が止まりやすいか
数字だけで真因を断定するのは難しいため、営業現場や採用担当の感覚と合わせて読むのが実務的です。特にBtoBでは、営業対応や提案内容の影響も大きくなります。
04Section全面リニューアル・部分改修・LP追加・CMS導入/移行・別施策優先の選び分け

見た目の古さだけで全面リニューアルを選ぶのではなく、課題の広がりや目的の絞りやすさ、更新停滞の有無で選ぶと判断しやすくなります。
ここでの判断軸は、課題の広がり、既存サイトを活かせるか、主目的を1つに絞れるか、更新停滞が主因かの4点です。見た目の古さだけで全面リニューアルを選ぶと、必要以上に大きな投資になりやすくなります。
見た目だけで全面リニューアルを決めない
問い合わせ不足や商談化不足の原因が、サービス訴求の弱さ、CTAの配置、フォームの負荷、営業対応の遅さにある場合は、サイト全体を作り直さなくても改善できることがあります。まずは問題がサイト全体に広がっているのか、一部に集中しているのかを見分けることが先です。
LPは、Google 広告のランディングページの説明 のように、到達後の行動を促す1目的のページとして考えると分かりやすくなります。比較の目安は次の通りです。
| 選択肢 | 向く典型症状 | まず確認すること | 初手で必要な作業 | 向かない条件 |
|---|---|---|---|---|
| 全面リニューアル(例: 会社情報・サービス・採用が混在して使いにくい) | 情報構造、ナビ、テンプレート、CMS、導線の問題が全体に広がっている | 主要ページ群の離脱、モバイル不具合、更新停滞、古いCMS、URL整理の必要性 | 既存ページ・導線・URLの棚卸し、主目的の再設定 | ターゲットや提供価値が未整理で、構成以前の課題が大きい |
| 部分改修(例: サービスページ閲覧は多いが資料請求が少ない) | 問題が主要ページ、CTA、フォーム、事例導線など一部に集中している | 対象ページ閲覧、CTAクリック、form_start、form_submit、離脱箇所 | 改修対象ページを3〜5本に絞り、計測を補強する | 全体構造が古く、一部を直しても再発しやすい |
| LP追加(例: 展示会後の資料請求先が必要) | 1オファー、1訴求、1流入元で反応を見たい | 流入元、到達ページ閲覧、CV、CV率 | 訴求とCVを1つに絞り、CTAとフォームを短くする | 会社理解や信頼不足が大きく、LP単独では不安が残る |
| CMS導入・移行(例: 事例追加のたびに外注が必要) | 更新が止まりやすい、公開が遅い、外注依存が強い | 更新頻度、更新所要時間、公開遅延、更新担当、現行CMSの制約 | 更新担当、対象コンテンツ、権限を先に決める | 更新担当や原稿供給がなく、運用体制だけが未整備 |
| 別施策優先(例: 新規事業で顧客像と訴求軸が社内で揃っていない) | 誰向けに何を売るか、どう集客するか、どう商談化するかが固まっていない | 流入量、営業対応速度、失注理由、事例不足、オファーの弱さ | ターゲット整理、オファー設計、営業フロー見直し | サイトを直しても前提条件が揃わず、効果の評価が難しい |
迷ったときは、次のように読むと判断しやすくなります。全体なら全面、一部なら部分改修、特定施策の反応を急いで見たいならLP追加、更新停滞そのものが損失ならCMS導入・移行、そもそも誰に何を売るかが固まっていないなら別施策先行です。
05SectionWebサイト制作で何がどう変わるか
サイト改善の評価は、問い合わせ件数だけで見ると実態を見誤りやすくなります。検索で見つかる量、行動される量、体験しやすさ、運用のしやすさに分けると、社内説明もしやすくなります。CVは GA4 の key event として管理でき、体験面では Core Web Vitals が表示や操作性を見る入口になります。
| 変化の層 | 代表指標 | 早期に見えやすい変化 | 中長期で見たい変化 | 見るときの注意 |
|---|---|---|---|---|
| 発見 | 表示回数、クリック、CTR、平均掲載順位 | 主要ページのCTR改善、クリック増 | 指名外流入の増加、サービスページ群への流入増 | 検索での露出とサイト内行動は別の数字として見る |
| 行動 | CTAクリック、form_start、form_submit、generate_lead | フォーム完了率の改善、資料請求導線の反応 | 問い合わせ経由の商談母数増 | 問い合わせ後の営業対応は別で確認する |
| 体験 | LCP、INP、CLS、モバイル表示、入力しやすさ | 表示崩れや操作しにくさの減少、入力離脱の減少 | 継続的な離脱改善、主要ページの回遊改善 | 体験指標はページ単位だけでなくURL群で見ることもある |
| 運用 | 更新作業時間、更新頻度、公開までの日数 | 更新依頼から公開までの時間短縮 | 情報鮮度の維持、事例追加の定着 | CMS導入だけではなく運用体制も必要 |
早めに見えやすい変化は、フォーム完了率、CTA反応、主要ページのCTR、表示崩れの減少などです。一方で、商談化率や採用決定率のような最終成果は、サイト以外の要因も大きいため、中長期で営業や採用の運用と合わせて見る必要があります。
特にBtoBでは、営業が送るページの閲覧、事例やFAQの閲覧、更新にかかる時間の変化も重要です。理解・比較・更新継続も確認対象です。
06Section依頼前に整理したいこと

相談前にすべてを決め切る必要はありませんが、主目的と対象範囲を先に仮置きすると、提案や見積もりを比較しやすくなります。
相談前にすべてを決め切る必要はありません。ただし、主目的と対象範囲は先に仮置きすると、提案内容や見積もり条件を比べやすくなります。特に改修や移行では、URL整理や検索影響への配慮も必要になるため、Digital.gov の検索最適化ガイド のような観点を前提にしておくと、比較時の抜け漏れを減らせます。
最低限必須
最低限必須
- ✓
主目的を1つ仮置きする
問い合わせ獲得、営業支援、採用、更新効率など。複数目的でも最優先を決める。
- ✓
対象範囲を決める
新規制作、全面リニューアル、部分改修、LP追加、CMS導入・移行のどれを想定するかを仮置きする。
- ✓
主要CVを決める
問い合わせ、資料請求、商談予約、応募など、何を成果と見るかをそろえる。
- ✓
主要ターゲットを決める
誰に見てもらい、何を理解してほしいかを明確にする。
- ✓
社内責任者と確認者を決める
意思決定者、原稿確認者、更新担当が曖昧だと進行と公開後運用が止まりやすい。
あると比較しやすい
あると比較しやすい
- ✓
ページ数の目安を出す
現行ページ数、改修対象ページ数、追加予定ページ数があるとボリューム比較しやすい。
- ✓
既存CMS・サーバー・ドメインの状況を確認する
継続利用か移行かで工数が変わる。権限の所在も確認したい。
- ✓
重要URLと流入上位ページを整理する
リニューアル時の移行設計や優先改修ページの判断に役立つ。
- ✓
原稿・写真・事例など使える素材を棚卸しする
流用できる範囲でライティングや撮影の必要量が変わる。
- ✓
GA4やSearch Consoleなどの計測権限を確認する
現状分析の深さと、改善後の比較精度に影響する。
相談しながら詰められる
相談しながら詰められる
- ✓
デザインの方向性
参考サイトや避けたい表現があれば十分。初回から細部まで固める必要はない。
- ✓
詳細なサイト構成
ナビゲーションや下層ページ構成は、調査と設計の中で詰めやすい。
- ✓
段階公開か一括公開か
公開タイミングは社内事情に合わせて調整されることが多い。
- ✓
公開後の運用支援範囲
更新代行、改善提案、レポート支援の有無で契約範囲が変わる。
- ✓
法務・セキュリティ・アクセシビリティの詳細要件
必須条件の有無だけ先に整理し、具体要件は相談しながら詰められる。
CMS導入だけでは運用課題は解決しない
更新担当、承認フロー、原稿や素材を出す仕組みがないと、管理基盤を整えても更新は止まりやすくなります。更新しやすさを上げたいときは、ツール選定と同時に運用体制も確認が必要です。
後で見積もり差が出やすいのは、価格の大小そのものより、どこまでを依頼範囲に含めるかです。公開情報だけでは同じ条件で比較しにくいため、前提条件をそろえて確認することが大切です。次の要素を先に整理しておくと比較しやすくなります。
見積もり比較で差が出やすい要素
対象範囲とページ数
サイト全体か一部改修か、何ページを新規作成・改修するかで前提が大きく変わる。
原稿と素材
原稿を自社で用意するか、取材やライティングを依頼するか。写真、図版、事例素材の有無でも工数が変わる。
CMSと移行
新規導入か既存継続か、移行対象ページや権限設計、URL整理が必要かで差が出やすい。
外部連携
MA、CRM、採用管理、外部フォームなど、つなぐ先が増えると確認範囲が広がる。
公開後の運用支援
レポート、改善提案、更新代行を含むかどうかで契約範囲が変わる。
相談前の最小アクション
すべてを決める必要はありませんが、主目的と対象範囲だけは先に仮置きしておくと、相談の精度が大きく上がります。
07Sectionよくある質問
よくある質問
Webサイト制作とリニューアルは何が違いますか?+
Webサイト制作は広い言い方で、新規制作だけでなく、全面リニューアル、部分改修、LP追加、CMS導入・移行まで含めて考えられます。リニューアルはその中でも、既存サイトを見直す選択肢です。
全面リニューアルではなく、部分改修で済むのはどんなときですか?+
問題が主要サービスページ、CTA、フォーム、事例導線など一部に集中していて、サイト全体の構造やCMSはまだ活かせるときです。まずは対象ページの閲覧、離脱、フォーム完了率を見て、局所課題かどうかを確認します。
LPを追加すれば本体サイトの課題も解決できますか?+
LPは1つの訴求や1つのCVを検証するには向いていますが、会社理解や信頼形成、複数サービスの比較検討までまとめて補うのは難しいことがあります。本体サイト側の情報不足が大きい場合は、LP追加だけでは不十分です。
CMSを入れれば更新しやすくなりますか?+
更新基盤としては有効ですが、それだけで運用が回るとは限りません。更新担当、承認フロー、原稿や素材を出す体制がないと、導入後も更新が止まりやすくなります。
PartnerBase Mag 編集部
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